2016年12月8日

各種の業務システムと連携して人名用漢字の入力を支援する
漢字検索ソリューション「漢字APIエコノミー」を新発売

ソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5749-4933、資本金 1,000万円)は、Webアプリケーションとの連携が可能な漢字検索ソリューション「漢字APIエコノミー」の開発に成功し、2017年3月1日より、クラウド上の漢字検索サービスとして提供いたします。また、12月14日(水)〜16日(金)に東京ミッドタウンで開催される「2016 TRON Symposium(TRONSHOW)」のパーソナルメディアのブース(ブース番号:A-3)にて、本製品のデモンストレーションを行います。

人名用の漢字には簡単に読めない漢字や多くの異体字があり、名簿の作成や電子政府の端末操作などの場面では、これらの漢字や異体字を効率よく入力する必要があります。「漢字APIエコノミー」は、約8万字の読めない漢字や異体字をすばやく検索、識別できる漢字検索機能を持っており、このような人名漢字入力の場面でのご利用に最適です。本製品の開発者向け情報として公開されたAPI(*1)を使って、この漢字検索機能をWebアプリケーションに組み込むことにより、各種の業務用システムの中からシームレスな操作で難しい漢字の入力ができます。読めない漢字や異体字に強い「漢字APIエコノミー」の漢字検索機能は、多くの人名用漢字を扱う名簿管理や電子政府関係のシステムにおいて、その操作性や入力効率を高めるために有効です。「漢字APIエコノミー」は、情報処理推進機構(IPA)が整備した「IPAmj明朝フォント(*2)」と Unicode IVS/IVD(*3) の "Moji_Joho" コレクション、および「GT書体フォント(*4)」に対応しています。

「漢字APIエコノミー」では、読みや画数はもちろん、漢字の構成部品やカタカナ、異体字などを使った直感的で分かりやすい漢字検索が可能です。たとえば、「シ束リ」のように構成部品(部首)の一部をカタカナで表現して「溂」を探したり、「石×3」のように掛け算を使った検索条件を指定して「磊」を探すことができます。また、新しく独自開発した字形差異データベースの応用により、異体字間で違いのある部分に色や説明を付けて強調表示する「異体字カラーナビ」の機能と、異体字間で差異のある部品を検索キーとして表示し、絞込み検索によって目的の異体字を特定できる「異体字パーツナビ」の機能を提供します。人名に使われる漢字には、「邊」「斎」「斉」「藤」「満」「荒」のように40文字以上の異体字が存在する場合もありますが、「異体字カラーナビ」「異体字パーツナビ」の機能を活用することにより、見分けにくい異体字を容易に識別して入力することができます。

人名などの固有名詞を含むパーソナル情報を扱う業務用システムでは、人名用の異体字や読めない漢字への対応が不可欠です。パーソナルメディアでは、「漢字APIエコノミー」をはじめとする多様な漢字ソリューションのご提供を通じて、各種の業務システムにおける人名用漢字の入力効率の向上、業務の生産性の向上に貢献していきたいと考えております。

(*1)
ウェブサイトやWebアプリケーションで使用する機能を提供するためのプログラミングインタフェースです。APIはApplication Programming Interfaceの略です。
(*2)
IPAmj明朝フォントは、経済産業省の委託事業である「文字情報基盤構築に関する研究開発事業」の成果として、IPAから無償で公開されている漢字の文字フォントです。「戸籍統一文字」の55,270字や「住民基本台帳ネットワークシステム統一文字」の19,563字など、約6万字の漢字を含んでいます。
http://mojikiban.ipa.go.jp/
(*3)
Unicode IVS/IVDとは、Unicodeにおいて漢字の異体字をコード化して扱うための規格です。異体字を示す字形の一覧がIVD(Ideographic Variation Database: 漢字字形データベース)として登録、公開されており、テキストデータ中の異体字の区別をIVS(Ideographic Variation Sequence: 異体字シーケンス)によって指定します。IVDには、文字情報基盤に対応した "Moji_Joho" などのコレクションが登録されています。
(*4)
日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業「マルチメディア通信システムにおける多国語処理の研究」プロジェクトによって開発された多漢字フォントで、東京大学多国語処理研究会によって引き継がれ、公開されています。2000年の発表以降増補が続けられており、現在の字数は78,675字にのぼります。
http://charcenter.t-engine.org/
「漢字APIエコノミー」は、既に発売中の「超漢字検索」「超漢字検索Web版」「超漢字検索 異体字パーツナビ」をベースに、これらの機能を強化し、さらに新開発の「異体字カラーナビ」の機能を追加して、一つのソリューションに統合したものです。「超漢字検索」は、PC版、iOS版、Android版を合わせて、累計10万人以上のユーザを持つ総合文字検索ツールです。
「漢字APIエコノミー」のサービスは、当社とご契約いただいたウェブサイトに対して、当社指定のクラウドサーバからインターネット経由でご提供します。また、お客様ご指定のイントラネットやプライベートクラウドの中で「漢字APIエコノミー」をご利用いただくことも可能です。
本製品には、東京都中小企業振興公社の実施する平成26年度新製品・新技術開発助成事業の採択案件「異体字入力用の漢字検索ライブラリの開発」、および平成27年度試作品等顧客ニーズ評価・改良支援助成事業「異体字入力用の漢字検索ツールの改良」の研究成果の一部を利用しています。

図表

図1.
「漢字APIエコノミー」の応用例
「漢字APIエコノミー」の応用例
図2.
部品による漢字検索の画面例
部品による漢字検索の画面例
図3.
異体字パーツナビの画面例:「葛」の異体字
異体字パーツナビの画面例:「葛」の異体字
図4.
異体字カラーナビの画面例:「邊」の異体字の一部
異体字カラーナビの画面例:「邊」の異体字の一部
図5.
異体字カラーナビの画面例:「蝕」「簡」「都」「漢」「紀」の異体字
異体字カラーナビの画面例:「蝕」「簡」「都」「漢」「紀」の異体字

「漢字APIエコノミー」の特長

  • 人名などに使用される多数の漢字や異体字の中から、入力すべき目的の漢字を効率よく検索して確定し、Webアプリケーション等の画面に入力できます。名簿の作成や電子政府の端末操作などの場面において、作業負荷の軽減や作業時間の短縮、誤りの低減が可能となります。
  • 漢字や異体字の検索機能はAPI(*1)として提供されますので、住民票管理、戸籍管理、会員名簿のデータベース管理など、各種の業務用Webアプリケーションの中に組み込んで利用することができます。
  • 累計10万人以上のユーザを持つ総合文字検索ツール「超漢字検索」の漢字検索機能が利用できます。漢字の読みや画数はもちろん、部首や一部の部品、それらの組み合わせなどを用いた、直感的で分かりやすい操作による漢字の検索が可能です。
  • 異体字を入力する場合には、複数の異体字を比較し、部首名や部品の名称、字形の差異などを吹き出しなどで説明します。また、異体字間の字形の差異部分を色分けして強調表示します。(異体字カラーナビ機能)
  • 漢字を構成する偏(へん)、旁(つくり)などの部首や部品のうち、異体字間で差異のある部品のみを絞込み検索キーとして表示します。ユーザは、それらの絞込み検索キーを指定することによって、最小限の確認操作で目的の異体字を特定できます。「邉」や「辺」の異体字122文字、「荒」の異体字44文字、「齋」の異体字41文字などを含めて、43,000文字以上の異体字に対応しています。(異体字パーツナビ機能)
  • 情報処理推進機構(IPA)が整備した「IPAmj明朝フォント(*2)」と Unicode IVS/IVD(*3) の "Moji_Joho" コレクションに対応しており、文字情報基盤の成果を活用したシステムを構築できます。また、TRON文字収録センターが提供し、78,675字の漢字を収録する「GT書体フォント(*4)」にも対応しています。

参考情報、リンク集

プレスリリース印刷用PDF


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • 超漢字はパーソナルメディア株式会社の商標です。
  • Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。その他の商品名などは、各社の商標または登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、画面イメージなどは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、製品改良などのために変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。
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